時代を越えて、恋人になっちゃいました。
あの後、騰蛇はもう一度眠ってしまった。
私も涙を拭って顔を上げた。
「どうする? 」
「とりあえず、また騰蛇が目覚めるのを待とう。信長、蘭丸1度戻ってくれ」
「相分かった」
「承知した」
3人になった部屋。
と言っても1人は寝てるけど。
「こいつ、どうする? 」
「寂しいんでしょ。だったら新しい主人を探してあげるのは? 」
「同業者に連絡を取るのか? おじさんかお袋に頼めばできるだろうけど…」
「戻ったら訊いてみようか」
「そうだな」
「いつ戻れそう? 」
「早くて明日、遅くても明後日だろ。解決はしたし」
「だね」
話が一段落したところで、私は立ち上がった。
「稽古か? 」
「うん。夏休みに入っていきなり部活休んじゃってるし。これじゃ大会出れないよ」
「そうか」
竹刀袋を肩に担ぎ、ソウに背を向けた。
「行ってきます」
「おう」