時代を越えて、恋人になっちゃいました。
自分が納得するまで竹刀を振り続け、部屋に戻ったのは夜の7時だった。
「いやー、疲れたぁ」
「ああ、おかえり」
「ただいまぁ。腹減ったー! 」
「お前なぁ、もっと女らしいこと言えないのか? 」
「無理だね。女らしさとは無縁なもんで」
ベェッと舌を出すと、ソウは呆れたようにため息をついた。
まったく。
だいたい女らしい剣士なんて、いるもんか。
女らしさなんて、剣を鈍らせるだけ。
「で、夕飯は? 」
「もうすぐくるぞ。待ってろ」
「メニューは? 」
「カツ…と言いたいところだが、今日は山菜鍋だ」
「えぇー、ショボ! 」
「んなこと言うな! 失礼だろうが! 」
すっかり私の機嫌をそこねてしまったソウは、困ったように頭をガシガシかいた。
そして干しておいた私のタオルを投げてよこした。
「わっ! 」
「とりあえず、風呂入ってこい」
「うーい」
私はちゃっちゃか着替えを持って、大浴場へ向かった。