時代を越えて、恋人になっちゃいました。



ちょうど夕飯時だからなのか、大浴場は私しかいなかった。


熱いお湯を頭から被り、備え付けのシャンプーを手に取る。


そして毛先から泡立てて丁寧に頭を洗いだした。



私の髪は長いから、洗うのがすごい面倒くさい。

だけど髪を切る気はさらさらない。


蘭丸や総司を見て、より一層そう感じた。


2人とも高い位置で1つに結った長い黒髪が特徴の美剣士だ。


もちろん私が美人かというと、そんなことはないけど。


でも、せっかく2人の魂を受け継いだのだから、せめて髪だけは残したいと強く思うようになった。



髪がいたまないように、コンディショナーでしっかり髪の保湿をした後、一度湯船に浸かった。


少し熱かったけど、すぐに慣れた。


曇った大きなガラスの向こうに、露天風呂が見えた。


昨日は上様の話を聞こうと急いでいたので入れなかったが、今日は大丈夫のはず。


露天風呂に行く前に体も洗ってしまおうと、湯船から上がった。


< 136 / 251 >

この作品をシェア

pagetop