時代を越えて、恋人になっちゃいました。
他にはソウのこと。
好きになったはいいけど、それからどうしろっていうの?
だいたいずっと一緒にいたのに、急に好きって言われてもソウだって困るよね。
あー、もう、分かんないし!
こんな時こそ誰かに相談しようと取り出したのは……、
「ジャジャジャジャーン! スマートフォン! 」
タップしたアイコンは、メッセージアプリ。
新しい連絡が来てないかを確認して、「友達」の中から「ゆのり」を選択した。
由乃里(ゆのり)は私の大親友。
由乃里は頭がいいから、少し遠くの高校に行っちゃって、今は離れ離れなんだけど、由乃里も剣道をやってるから大会で会えることを楽しみにしている。
「困ったときはお互い様」が私たちのモットー。
だからいつでも連絡していいってことになってるの。
時間を確認したらもう夜中だったけど、とりあえずメッセージを送ってみた。
〈由乃里おひさ! 蒼空ちゃんだよー! 〉
〈寝てるかなぁ? 〉
《起きてるよ》
《なんかあった? 》
意外にも由乃里はまだ起きてたみたい。
もしかしたら勉強してたのかも。
〈ごめん、勉強してた? 〉
《してたけど、平気》
《で、どうした? 》
もしかしなくても、勉強中だったし。
〈ちょっと相談が…〉
〈ソウのことなんだけど…〉
《翔真? 》
《喧嘩でもした? 》
〈や、そうじゃなくて…〉
《何? 》
《惚れたの? 》
えぇ!
なんで由乃里分かったの!?
素直にそう打つと、「今更? 」って返ってきた。
《はたから見たら、ずっと昔っからそう見えてたよ》
〈そっか〜〉
《誠司とは別れたの? 》
〈うん〉
〈私が別れ話切り出すより早くフラれた〉
《え、あいつがフったの!? 》
《蒼空より早く!? 》
〈え、うん〉
《ありえない…》
や、ありえないって何よ。
実際あったでしょうが。