時代を越えて、恋人になっちゃいました。


戻ってきても、まだソウは寝ていた。


仕方ない、起こすか。


「ソーウ、朝だよ、起きて」

「んー」


少し怒ったような唸り声を出して、私に背中を向けるソウ。


「ソーウ、起きてってば。あと五分で朝ごはんだよ」



ソウがうるさそうに身を縮めた。


もう、仕方ないなぁ。


私はソウの布団を引っぺがした。


「起きろっ! 」


するとソウは目が据わっているにも関わらず、私を布団に引きずり込んだ。


「何っ!? 」


そういえば、最近ソウを起こしてなかったから忘れてた…。


こいつの寝起き、クソ悪いんだ……。



そのままソウは私を抱きしめてきた。


「ん、あったかい…」


いやいや! 人を抱き枕にすんなよ!

「ねぇソウ、起きて。ホントに」

「ねむい…」

「知ってる。けど起きて」

「や」


「や」じゃねーよ。


だけど可愛いって思っちゃう。


そんなことをのんきに考えていたら、不意に目の前が暗くなった。



次の瞬間、明るい視界と熱を持った自分の唇だけが残された。



え、待って。

もしかしてソウ、キスしたの!?


「ちょ、馬鹿! 」


思わず寝ているソウの頭にゲンコツを落とした。


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