時代を越えて、恋人になっちゃいました。



「イヤァァァァァァアアアア! 」

「ヤアァァァァァァアア! 」


お互い気合いは十分。


だけど、私の気分は最悪だった。


だって、徳和先輩が自分の竹刀を私の竹刀にカチャカチャぶつけるんだもん。


ちょうど剣先、先革の気持ち下あたり。



対する私は竹刀をピクリとも動かさない。



じっと面金の隙間から相手を観察する。






先に動いたのは、先輩の方だった。

私が出す、緊張感に耐えられなくなったのだろう。




「ヤァ、メェェェン! 」



ダサ。
胴ガラ空きなんだけど。



私は先輩の竹刀を避けて、前進する。



「ンダァァァア! 」



パァンと気持ちの良い音がした。


1本目は私の胴が決まったね。



ふん、ざまみろ。


元の私の力も舐めちゃいけないし、この夏に蘭丸と戦って身についたことも舐めちゃいけないよ。



わずかに目を見開いた先輩の顔を面金の隙間から睨みつけた。



そして私は中段の構えをとりなおした。



< 156 / 251 >

この作品をシェア

pagetop