時代を越えて、恋人になっちゃいました。
水道で水を飲んでいると、聞き慣れた声で名前を呼ばれた。
「誠司…」
「よっ。ってかお前やっぱりすごいな。部長相手に余裕で勝ってんじゃん」
「うん、まぁね」
誠司はくるっと後ろを振り返った。
「先輩、こいつどうでしたか? 」
「どうも何も…、こういうのを歯が立たないっちゅーんだろうなって思ったわ」
徳和先輩は苦笑した。
「そっすよね! 」
それになぜか生き生きと返事を返す、誠司。
「こいつ中学ん時、3年間全国一だったんすよ」
「そうだったのか! 」
「え、蒼空、言ってないの? 」
「だってここ、剣道にあんまり力入れてないでしょ? 」
私はさらっとそう答えると、部室に向かって歩き出した。
「どこ行くんだよ〜」
「部室! 手拭い替えてくる」
誠司に返事をして、部室棟の方へ足を進めた。