時代を越えて、恋人になっちゃいました。
部屋の中を物色していると、なんと名簿の原本が出てきた。
そういえば蘭丸たちの話から、私たちの他にもタイムスリップしてる同業者がいるんじゃないかって思って、調べてたんだ。
すっかり忘れてた…。
ま、これからそっちは調べればいいしね。
今は騰蛇の主人を探すのが先決。
「あれ、騰蛇は? 」
「いるわ。隠形してたんだよ」
さっと現れた騰蛇は、すぐに子狐の姿に変わった。
「何やってんだ、お前」
「君の新しい主人を探してるんだよ」
「そりゃご苦労様だな」
「ってか私のこと、名前で呼んでよ」
「なんて言うんだ? 」
「あれ、言ってない? 」
「言われたかもしれんが、忘れた」
「なんだよ、もう……。私は蒼空だよ」
「そら…か。いい名だ」
そう言うと騰蛇は体を丸めた。
「寝るの? 」
「ああ。おやすみ、蒼空」
「うん」
騰蛇を起こさないように気を付けながら、名簿をめくっていった。
そして騰蛇を扱える力強い陰陽師を5人ほど、ピックアップした。