時代を越えて、恋人になっちゃいました。



夜、母さんと夕飯を食べていると、父さんがものすごい形相でリビングに飛び込んできた。



「蒼空! お前同業者の名簿持ち出しただろ! 」

「あ、うん…」

「馬鹿! 今日総会があったんだよ! おかげで会長に怒られたじゃないか! 」

「え、総会に名簿がいるの!? 」

「いつもはいらないけど、今日は俺が資料担当だったから必要だったんだよ! 」

「え、ごめん! 」



やっちゃった〜。

ま、そんな日もある!


「まあまあ、2人とも落ち着いて。あなた、夕飯が冷めないうちに食べてちょうだい」

「ああ」


父さんは力なくうなだれて、椅子に座った。



仕方ない、父さんの分のご飯をよそってきてあげよう。



食器棚から出した淡いブルーのお茶碗にご飯を山盛り盛って、父さんの前に並べた。


「ありがとう。ついでにみそ汁も…」

「わーってるよ」


軽く温めたワカメのみそ汁を入れたお椀をお茶碗の右側に並べる。



「どうぞ」

「いただきます」



おとなしく食べ始めた父さんをおいて、私と母さんは食器を下げた。


「父さん、あとで書斎行くから」

「ああ」

「蒼空、先にお風呂入っちゃいなさい」

「はーい」



私はパジャマを取りに、部屋に戻った。



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