時代を越えて、恋人になっちゃいました。
「蒼空、戻ってきたか? 」
父さんが心配そうに私の前で手を振っている。
「ん、大丈夫」
意識、正しくは魂魄を肉体から離して別行動させる、離魂術。
とても高度な術らしいけど、教わってすぐに私はできた。
父さんやおばさん、もちろんソウもできないみたい。
父さんはできないけど呪文は分かるから、私たちは教われたの。
それにこの術は命を削ってしまうらしい。
でもどうやら私はそんなことないみたいで、何度私の寿命を占っても大した変化はない。
「蒼空、名簿はどうした? 」
「あ、ここにある」
父さんに名簿の原本を返して、書斎を後にした。