時代を越えて、恋人になっちゃいました。
それよりどのタイミングで私は仲裁したらいいんだろう。
私が黙って傍観してる間にも、どんどん福澤先輩たちは長渕先輩に、暴言を投げつけている。
あーあー、長渕先輩涙目じゃん。
それでも涙をこぼすまいと堪える姿は、尊敬に値するかな。
福澤先輩は…悪いけど欠片も尊敬できないわ。
さっきから怒ったり、謙遜したり、忙しそうな福澤先輩。
あんたに生まれ変わるくらいなら、人に潰される蚊に生まれ変わる方がまだマシだわ。
「ねぇ、あなただけの翔李じゃないんだから、翔李に近づかないでよ! 」
ドンっと福澤先輩が長渕先輩を突き飛ばした。
「ぅぅ…」
打ち所が悪かったのか、長渕先輩が低く呻いた。
さすがに見ていられなくなって、長渕先輩の前に、両手を広げて立ち塞がった。
なおも長渕先輩を追っていた福澤先輩の平手が、私の頬に当たった。
「ぁ…」
「何、してるんすか」
驚いた福澤先輩たちをキッと睨み、出せる限りの最低音で彼女たちに問いかけた。
「いや、あの…」
「言い訳、いらないんで。過程と結果だけを簡潔に述べて下さい」
先輩たちはバツが悪そうに、揃って俯いた。