時代を越えて、恋人になっちゃいました。
とりあえず、部活に出れなくなった私は、防具一式と竹刀袋を持って家に帰った。
道場を通るとき、誠司や風沢先輩に声をかけられたけど、聞こえていないふりをした。
「ただいま…」
「あら、おかえり。早かったわね」
「ん…」
母さんの言葉にも適当に返事をして、私は部屋に閉じこもった。
ベットに寝転がって、枕に顔を埋めて、今日の口論全てを思い出してみる。
保身ではなかった、と自信持っては言えないし、正論を武器にしていなかった、とも断言できない。
自分なんて、どうでもいいはずなのに。
女々しい自分が嫌になる。
目頭が熱くなった。
もともと暗かった視界がぼやける。
私は下唇をグッと噛んで、荒れ狂う全ての感情を飲み込んだ。