時代を越えて、恋人になっちゃいました。
下に降りると、父さんも母さんもいなかった。
父さんは仕事かな。
母さんは…。
「風呂っぽいぞ。脱衣所に人の気配があったからな」
「そっか。ありがとう」
それは好都合。
なんたって母さんに千煌の姿を見られずにすむからね。
見られて減るもんじゃないけど、見られないに越したことはないよね。
一応神様だし。
百歩譲って子狐の姿を見られるならいいけれど、本性を現しているときに見られたらさすがに困る。
困る、というか母さんが驚きで倒れてしまうかもしれない。
「氷はどこだ? 」
「そこの冷蔵庫の中」
「冷蔵庫…ってこれか? 」
「あ、そうそう。それの上から2段目の左側の小さい引き出しね」
「おうよ」