時代を越えて、恋人になっちゃいました。
「ハッ、ハッ……」
テンポよく足を進める。
いつもと違うのは、肩に竹刀袋を背負っていないこと、それだけ。
さすがに今日は竹刀を握る気になれなかった。
あとで蘭丸や総司にこれからについての相談に乗ってもらおう。
どちらもそれぞれの時代で最強と呼ばれた剣士だ。
きっと何かアドバイスをくれるはず。
私は汗を拭おうと、首元に手をやる。
だけどいつもそこにある、タオルが今日に限ってなかった。
私は仕方なく、シャツの首元で額の汗を拭った。