時代を越えて、恋人になっちゃいました。
ドタバタと玄関に飛び出すと、寝起きで不機嫌そうなソウが立っていた。
「遅ぇぞ」
「あんたが早いの。母さん、行ってきます」
「行ってらっしゃい、2人とも」
玄関の隅に脱ぎ散らかしてあったローファーに足を突っ込んで、つま先をトントンと鳴らす。
「よし、行こ! 」
「俺のが早かったのに」
「いーのいーの! 」
ちょっとうざいところはあるけど、ソウと一緒に登校できて、内心めっちゃハッピーな私。
ソウの隣をスキップで進む。
「なぁ」
「んー? 」
「防具は? 」
「家! 」
「竹刀は? 」
「それも家! 」
「部活は? 」
「停止! 1週間だって」
「なんでだよ。お前なんかやったのか? 」
「副部長かばって先輩と喧嘩した」
「殴ったのか? 」
「そんなことしないよ。途中で敬語崩しちゃってね。副部長に武道をやる資格がないって言われたよ」
努めて明るいトーンで話す。
話の内容が暗いのに、トーンまで暗かったら朝からどんよりムードになっちゃうもんね。
それに私はソウと登校できてハッピーだし?