時代を越えて、恋人になっちゃいました。
ソウの笑顔に見惚れていると、急に腕を強く引かれた。
「よし、学校サボろうぜ」
「は? 何言ってんの? 」
「いいだろ? 」
さっきまでとは打って変わって、余裕そうな笑みを浮かべるソウ。
「俺の長年の片想いが叶ったお祝いだ」
私の頬に、熱が宿った。
私はソウに腕を引かれるがままに走った。
いくつもの角を曲がり、信号を渡って、橋を越えて。
いつもはあまり足をのばさない、街の北側へ向かっているようだった。
「ねぇ、どこ行くの? 」
風を受けて、なびく前髪を押さえながらソウに訊ねる。
ソウは少し考え込むような仕草をして、ポンと膝を叩いた。
「とりあえず、海行こうぜ。まだシーズンだろ? 」
「うんっ!」
夏の暑い日差しが、私たちの影をアスファルトに焼き付けていた。