時代を越えて、恋人になっちゃいました。
何となく広がった沈黙を狙ったかのように、注文した料理が運ばれてきた。
熱々のドリアを冷ましていると、突然ソウが自分のスマホを私に見せた。
「何? 」
「昨日誠司から連絡が来たんだ」
「は? 」
慌てて差し出された画面を凝視すると、私が部活停止になったことに関する内容が、小さな画面を埋め尽くしていた。
嘘…こんなに。
誠司、心配してくれてたんだ。
「ちょっと説明してみろ」
「う、うん…」
私はドリアを一口口に含んでから昨日のことをそっくりそのままソウに話した。
話が長くなりすぎて、終わった頃にはドリアがすっかり冷めていた。
「そうか…。それで昨日風沢先輩が体育館に来だんだな」
「え? 」
「あ? ああ、昨日の帰り風沢先輩が体育館の前に来てたんだよ。お前に悪かったって伝えといてくれって」
あの風沢先輩が…。
あー、いたたまれない!
ほんと申し訳ない!
ごめんなさい、風沢先輩!
「で、風沢先輩がその…長渕先輩? 、説得してみるって。なんか、あっちはあっちで事情があったっぽいぞ」
「そっか。ま、しょうがないね」
「そだな」
ソウはそっけなくそう返すと、グラスをグイッと傾けた。