時代を越えて、恋人になっちゃいました。
ようやくソウのお説教が一段落した頃には、ソウが持ってきてくれたジュースの氷がすっかり溶けてしまっていた。
「……分かったか」
「はぁい」
「返事は伸ばすな! 」
「はい」
私は氷が溶けて味が薄まったオレンジジュースを一口、口に含んだ。
うげぇ、うっす!
「で、お前部活どうすんの? ほんとに剣道やめんの? 」
私は持っていたグラスを床に置いて、首を横に振った。
「ちあ…じゃなくて、騰蛇にも言われたけど、そうじゃないじゃんって思って…」
「そうか」
「だから、蘭丸と総司に鍛え直してもらおうと思って」
「は? 」
ソウが目を見開く。
私は構わず話を続けた。
「私、2人の石と剣道の道具持って京都へ行く。あと、騰蛇も連れて」
「なんでまた…」
「京都の蘭明(らんめい)学園って知ってる? 私立なんだけどさ」
「いや、知らない」
「そこって剣道の高校女子団体が1番強いって言われてる学園なの。だからちょっと行ってこようと思って」
「いや、ちょっとって行けるもんじゃないだろ」
心配そうに私を見るソウに向かって、私はニッと笑いかけた。
「実は推薦来てたんだよね、蘭明から。だけど面倒くさいから普通に公立入ったんだ。それで断るときに向こうから、ぜひ練習に来てくれって言われたの」
それを今回利用しようってわけ。