時代を越えて、恋人になっちゃいました。
「よし、行こうか」
グッと膝に力を入れて立ち上がる。
リュックと、5日分の荷物が入った少し大きめのボストンバックを抱えて、待合室を出ようとした。
その時、突然肩にあった千煌の感覚が消え去った。
「俺が1つ持ってやる」
次の瞬間、私の隣に長身の男性が立った。
本性の姿に戻った千煌だ。
「ありがとう。でも、その格好は…」
千煌は神将だから、普通の人とは着ているものがだいぶ違う。
着ているものの時代が特に。
「…あとで何か買えばいいか。とりあえず隠形しててくれる? それでも荷物持てるよね? 」
「ああ」
千煌はボストンバックを抱えると、再び隠形した。