時代を越えて、恋人になっちゃいました。
蘭明学園は、思ったより大きい学校だった。
さすが私立。
とりあえず理事長室に挨拶に行かなくちゃ。
事前に連絡した時に送られてきた校内の見取り図を頼りに、広い校内をさまよい歩く。
30分くらいブラブラすると、それらしきところに出た。
「千煌、悪いけどここで待っててね。あと、本性じゃなくて、子狐の姿とってくれる? 荷物は普通に置いといてくれればいいから」
そう声をかけると、若干不機嫌そうな雰囲気を醸し出しながらも千煌は頷いてくれた。
万が一千煌の隠形を見破れる人がいたら困るからね。
次の瞬間、私のボストンバッグが現れる。
私は千煌に笑いかけると、リュックを廊下に置いて、理事長室の扉をノックした。