時代を越えて、恋人になっちゃいました。




「紅王だ。ほら、あそこ」

「ほんとだ。鷹って綺麗な鳥だね」

「紅王はそのなかでも群を抜いて美しい」

「そっかー」



やがて紅王は蘭丸の腕に止まった。



「紅王は人にはめったに懐かぬ。この屋敷でも私と上様にしか懐いておらぬ。だが、そなたに懐けばそなたが私の生まれ変わりであることの裏付けになるであろう」

「なぜ? 」

「鷹は賢いのだ」

「そうなんだ」



私はおそるおそる、紅王の羽に手を近付けた。


すると、紅王は自ら私に近付き、私に羽を触れさせた。



「紅王…! 」


懐かしい。
すごく、すごく、懐かしいの。



私の瞳の縁から涙が一粒、こぼれ落ちた。



それを見た紅王は蘭丸の腕から私の肩に飛び移ると、私の頬に頭を擦り付けた。






「やはり、そなたは私の生まれ変わりだな」




蘭丸の声はどこか遠くに聞こえた。





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