時代を越えて、恋人になっちゃいました。
その時不意に扉をノックする音が、理事長室に響いた。
「理事長、轟です」
「どうぞ」
「失礼します」
入ってきたのは、ショートカットの髪と儚げな目元が印象的な美人さんだった。
「尾崎さん、彼女がここの女子剣道部の部長、轟 佳音(とどろき かのん)さんだ。轟さん、彼女が5日間ここに編入することになった尾崎 蒼空さんだよ」
轟さんは私の方に向き直ると、綺麗にお辞儀をした。
「初めまして、轟と申します。よろしゅうお願いします」
轟さんは穏やかな京言葉で自己紹介をしてくれた。
「こちらこそよろしくお願いします。尾崎です」
私もなるべく丁寧な言葉遣いにして自己紹介をしたけど、上手くできたかはよく分からなかった。