時代を越えて、恋人になっちゃいました。
「うわー、広っ! 」
部屋の突き当たりにある大きな窓へと駆け寄る。
そこからは、さっき私たちが歩いてきた中庭の噴水がよく見えた。
「蒼空、そろそろ戻ってもいいか? 」
「んぁ? あー、いいよ」
次の瞬間、窓に長身男性の影が映し出された。
「戻るって、そこまでなんだ」
「文句あるか? 」
「いーえ、別に」
ま、今から荷ほどきするから、人手があったほうがいいけどね。
私は窓から離れて、備え付けのタンスに向かう。
「私は服とかをタンスに移してるから、千煌は部屋の窓を全部開けてくれる? そのあとは好きにしててくれて構わないから」
「分かった」
割り振られた仕事をちゃっちゃと終わらせた千煌は、隠形して部屋の外へ出て行った。