時代を越えて、恋人になっちゃいました。



目を開けて元の公園に戻ったことを確認すると、砂を払って立ち上がった。


手の中に短刀と蘭丸からもらった包みがあることを確認して、私は家に向かった。





公園のすぐそばのかどを曲がったときだった。




_______ドンッ。


「いった…」

「ごめん。大丈夫か? 」



ぶつかってきたのはトレーニングウェアに身を包んだソウだった。


「いや、大丈夫。ありがと」

ソウが差し出してくれた手を遠慮なく借りて立ち上がる。


怪我がないかパッと確認してソウに向き直った。




「走りに行くの? 」

「うん」

「自主トレ? 」

「そ。またバスケやるから」

「そっか」

「お前は剣道だろ」

「もっちろん! 」

「やっぱな。そろそろ行くわ」

「行ってらー」




ソウは被っていた帽子をかぶり直すと、私と反対方向に走っていった。





< 32 / 251 >

この作品をシェア

pagetop