時代を越えて、恋人になっちゃいました。
「やっときたか…」
「悪かったわね」
「いや…。そこの者が翔真か? 」
「ああ、俺がそうだ」
「そうか…。そなた、上様に気配が似ておる」
「俺が? 」
「気のせいかもしれんがな…」
ソウと蘭丸は早くも打ち解けたようだった。
「蘭丸様」
襖の向こうから声がした。
「なんだ? 」
「上様がおよびです」
「分かった」
外の人にそう返すと、蘭丸は私たちに向き直った。
「どうする? くるか? 」
「行っていいの? 」
「どうせ見えぬ」
それもそっか。
「分かった。ソウは? どうする? 」
「お前行くんだろ? ならいくよ」
2人の了解を得た蘭丸は軽く頷くと、廊下に出た。
その時私と蘭丸は気付かなかった。
なんで蘭丸にソウが見えていたのかを…。