時代を越えて、恋人になっちゃいました。
家に帰ると、誰もいなかった。
机の上に書き置きがしてあって、両親ともに帰りが遅くなると書いてあった。
「今時置き手紙って…」
どこまでも古典的な親に多少は呆れたけど、しょうがないよね。
私は親に家についたことを連絡しながら、階段を上った。
部屋に入って電子辞書を探す。
「あぁー、あった、あった」
探すこと約30分。
ようやく見つかった。
なんで電子辞書を探してたかって言うとね、蘭丸からもらった手紙を読むためなの。
ほら、若干言葉違うじゃん?
だから。
「えーっと…」
手近な紙に文面を写すのに15分。
そこからわからない言葉を辞書で引きつつ、手紙を読み解いていった。
さらに1時間後…。
「でっきたぁー! 」
なんとかこうとか意味の通る文になった。
_______________蒼空、どうしてもお前に伝えたいことがある。
私たちはそろそろ天下統一に欠かせない、中国出陣をするつもりだ。
だから、しばらくは会えない。
代わりにこの簪を持っているがよい。
その緑色の石はな、翡翠と言って伊賀の忍が空間移動をするときに使うらしい。
それで知り合いの忍に頼んでこれに私と上様の魂の一部を入れてもらった。
これで時空を越えても話ができるはずだ。
何かあったら呼んでくれ。
蘭丸_______________