時代を越えて、恋人になっちゃいました。
「えっ……」
「落ち着いて考えてみろよ。ほんとはどっちだったのか」
ソウの優しい声は、まるでさっきの紅茶のように、私の脳へ届いた。
そしてそれを理解した脳は、私の気なんて知らずに口を動かした。
「ホントは…気付いて欲しかったの……」
「そっか」
………もう無理。
限界だよ。
「うわぁぁぁぁぁぁ! 」
「一杯泣けよ。涙は悲しみの汁だ。いっぱい泣きゃあ、悲しいことも忘れるさ」
そう言いながら頭を撫でてくれたソウは優しくて。
とっても安心できた。
誠司の隣にいる時とは、ちょっと違う。
誠司の隣は、ドキドキしてて、疲れちゃう。
でも、ソウの隣は……。
ドキドキするけどあったかくて。
とっても落ち着くの。
いつの間にか私はソウの中にすっぽりと収まっていた。
私の涙はソウのワイシャツに混じっていった。