時代を越えて、恋人になっちゃいました。
「……ん? 」
「目ぇ覚めたか? ホントなんなんだよ急に」
「えっ? 」
「叫んだと思ったら、そのまま気ぃ失った」
「マジですか…」
「マジだ」
私としたことがっ!
なんという失態をっ!
私が自己嫌悪に悩まされていると、ソウが御構い無しに時計を指差した。
「部活、あと5分で始まるけど? 」
………は?
「ノーンッ! 」
「だからお前うるっせぇって」
そんなことはこの際どうでもいい!
やばくない?
部活遅刻する!
ここから学校まで自転車で全力疾走しても、15分はかかるというのにっ!
あー、なんという失態!
夏の大会出れない!
それは嫌だっ!
「ソウ、助けてっ! 」
困った時の神頼み…じゃなくて、ソウだのみ。
「お前、馬鹿か」
「な、なんだと!? 」
「空間移動なり、時間を戻すなり、式神使うなり、なんとかしろよ…」
………ああ、その手があった。
ここは1番簡単な空間移動だねっ!
「ソウありがとっ! じゃ、バイバーイ! 」
私は九字を切って、呪文を唱えた。
このくらいの簡単な術だったら、符はいらないんだ〜。