時代を越えて、恋人になっちゃいました。
「いい彼氏さんね」
私が誠司が閉めた扉を見続けていたからか、保健室の先生はそう声をかけた。
「……そう、ですね」
「あら、ずいぶん他人事みたいじゃない」
「いえ、そんなこと…」
「私にはわかるの。伊達に保健室の先生やってないわ」
まだ若い保健室の先生は長い栗色の髪を耳にかけながら、言った。
そんな誇らしげな先生を見ていたらなんだか泣けてきて、気付いたら先生に全部話していた。
誠司が好きだったはずなのに、いつの間にかソウが好きになっていたこと。
どっちが本当に好きか、分からなくなってしまったことなど、全部話した。
その話を先生はとっても真剣に聞いてくれた。