時代を越えて、恋人になっちゃいました。
公園は初夏の匂いがした。
少し眩しい夕日も、木々が遮ってくれている。
その中でも木々からこぼれた幾筋かの夕日が照らすベンチに、私たちは並んで腰を下ろした。
「どした? 」
「…ん、あのね」
言いにくくて、私は黙りこくった。
そんな私を急かすことなく、誠司は前を向いた。
「そーいや、ここだったな」
「えっ? 」
「俺が告った場所」
「ぁ……」
「その表情、もしや忘れてたな? 」
「ご、ごめん」
「まー、いーけどよ」
私の驚いた顔を別段咎めることもなく、誠司は話し続けた。
「ここで俺が蒼空に告白して、蒼空がオッケーしてくれて。そっからここは俺にとって、恋愛の神様がいる公園だったよ」
そう話してくれる誠司の顔は少し寂しそうだった。
「あのね、誠司……」
「まって、俺も話があんの。聞いて? 」
「あ、うん」
誠司は私の方に向き直って言った。
「俺と………別れてください」