時代を越えて、恋人になっちゃいました。
聞いちゃいました。
家に帰ると、ソウがいた。
「あれ、部活は? 」
「今日休み」
「ふーん」
なんとなく、好きと自覚したばかりの人と一緒にいるの、気まずいよなぁ。
「てか、うちいるの? 」
「お袋が仕事で帰ってこねぇから、夕飯食いにきた」
「自分で作りゃあいいじゃん」
「おばさんに呼ばれたんだよ」
ソウは女の私より、料理がうまい。
くっそぉ、そういう男子って得だよなぁ。
「ただいま〜」
「あ、お帰り。今日お父さんいないよ」
「はーい」
台所にいる母さんに声をかけて、私は自分の部屋に上がっていった。
部屋に入って、制服を脱ぎ捨てる。
「……何着よ? 」
……絶対おかしい。
今までジャージでソウの前、立ってたのに。
急に女の子らしくなった自分にびっくりする。
「まーいーや」
無難にポロシャツとジーンズを着て、下に降りて行った。
「母さん、手伝う」
「あ、ありがとう」
「じゃあ俺も」
「翔真くんはお客さんなんだから、座ってていいわよ〜」
「いや、今更お客さんとか、そんなんじゃないし」
「それもそうね。じゃあ蒼空はこっち、翔真くんは食器お願い」
「わかった」
「まっかせてっ! 」
私たちはワイワイ楽しく夕飯を作った。