時代を越えて、恋人になっちゃいました。
「……ってわけ」
うん、ここまでは私も聞いていた。
つまり、ソウがあの石を使って話した内容だ。
「あと、俺部活に行きながらもう一度蘭丸と話したんだ」
「えっ」
「どうやら信長たちは謀反を仕組み、行った張本人は陰陽師じゃないかと言っているんだ」
「そんな、嘘…」
「確かに同業者としてはちょっと痛い。ただあの2人が予想したのはそれだけじゃないんだ。あの時、陰陽師の気配がしたが、それはこの時代の陰陽師が持つ気配ではなかったらしい」
「どういうこと? 」
「信長が言うには、戦国時代の陰陽師は皆、血の匂いがするらしい。だがその陰陽師の気配からは俺たちと同じ匂いがしたって」
「じゃあ私たち以外にもタイムスリップをしている陰陽師がいるということなの? 」
「そうかもしれない」
「じゃあ……」
「俺たちが止めるんだ」
ソウは力強く続けた。
「もしかしたらそいつは、総司にも手を出すかもしれない。だから今度俺も総司のところへ連れて行ってくれ」
「……分かった。でもなんで急に総司なんて…」
「この間分かったんだが、俺は土方歳三の生まれ変わりだった」
「えっ」
「隣町にバスケ部の奴らと出かけた時に、占い師に会ってよ。そいつに言われた。その占い師は当たるって評判らしいし、俺もそいつからそんな気を感じたからそうなんだなって」
「そっか。じゃあ明日、総司のとこ行こ? 」
「ああ」
部屋に戻った私はまた考え込んだ。
戦国時代にいたという、陰陽師についてだ。
「私が知っているのは…」
何かの役に立つかもと、同業者の名簿を父さんの書斎から持ち出し、知っている人と知らない人に分けていった。