時代を越えて、恋人になっちゃいました。
蒼空は考えなしで動くところがとても多い。
それはいくつになっても変わらない。
昔は俺だってそれなりに優しい方だった…はずだ。
だから蒼空と一緒に、感情に任せて突っ走っていたんだ。
『ソウっ! 子猫! 』
『うわぁ、ずぶ濡れじゃん。捨てられたんだな』
ある雨の日、俺たちはダンボール箱に入ったミルクティー色の毛をした子猫を見つけた。
雨に濡れて、寒そうに体を震わせている子猫は、誰がどう見ても助かりそうもなかった。
だけど蒼空は迷うことなくその子猫を抱き上げた。
『何やってんの? 』
『私が助けるっ! 』
そう言って蒼空は近くの動物病院まで走った。
もちろん俺もついてった。
この蒼空の行動は正しいと思ってたから。
結局その子猫は助からなかったけど、きちんと2人で埋めてあげた。
その頃はそういう風に感情に任せて行動するのは悪いことじゃないと思ってた。
あの事件までは。