君は振り向かない
「頼斗……苦しい」
胸をドンドンと叩いてきた真由ちゃん。
「あっ、ごめん。ついつい力入ってしまった」
「平気だけど。これって友情のハグだよね?」
その言葉に俺の胸が、針を刺されたかのような痛みが襲う。
友情じゃないっていったら、君は離れていってしまう?
「愛情のハグ……っていったらどーする?」
俺の言葉に、真由ちゃんは顔を赤くした。
だから、何でそんな反応するんだよ。
期待してしまう自分が、情けない……