君は振り向かない



「冗談やめて!からかわないで!」



赤くなる真由ちゃんを俺は再びグイッと自分の方へ抱き寄せた。



「冗談じゃない……本気だよ」



真由ちゃんの耳元へボソッと囁く。



「ちょ、頼斗!」



「真由ちゃんはずるい。そんな反応されたら期待しちゃうじゃん」



止まらない想いが加速する。




もう、このまま、気持ちを伝えてしまおうか……



この苦しさから開放されるには、きっぱりと振られた方がいいんだ。




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