君は振り向かない



「男なんて信じられない……いつ気持ちが変わるのか分からないし、気持ちを振り回されるのは嫌」



真由ちゃんの唇が震えていた。



本田宏のことを思い出しているようだった。



「だからっ……私は誰も好きにならない」



「でも、俺は真由ちゃんのこと、本気で好き。全力で真由ちゃんのことを守りたいし、いつも隣で笑っていたい」



真由ちゃんと、無言で目があう。



真由ちゃんは、唇を噛み締めていた。



「そんなの、最初だけ……飽きたらまた他の女の子行くんじゃないの?」



真由ちゃんは目に涙を浮かべていた。



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