君は振り向かない
「真由ちゃんの素直な気持ちを聞かせてほしい」
「……」
すると、真由ちゃんがおそるおそる腕を俺の背中に回した。
そして、ギュッと抱きしめ返してきた。
これが彼女の素直な気持ちなんだろう。
あまりの嬉しさとお互いを抱きしめあってる状態に俺はキュンと胸の奥が疼いた。
くそー、可愛い。
「真由ちゃん、言葉で言って」
俺のS心が少し出てきた。
それに、言葉で真由ちゃんの気持ちを聞かないと分からなかった。
真由ちゃんは相当恥ずかしがりなのか、しばらく黙っていたがついに口を開いた。
「私も……頼斗のこと気付いたら好きになってた」
その言葉に俺は震えた。
震えるぐらい嬉しい言葉だった。