君は振り向かない
三咲ちゃんと同じクラスだという真由ちゃん。
昼休み、真由ちゃんのいる教室を覗いてみた。
いた!
真由ちゃんは、机でノートを開きながら勉強している様だった。
うわ、真面目だな。
真剣な顔でノートをペラペラ捲ってる彼女をしばらく見ていた。
かわいい、やっぱり。
教室に入り、真由ちゃんの元へ近付こうとした瞬間、後ろから誰かに抱き締められた。
「頼斗!私に会いにきてくれたの?」
振り返ると、平田菜々子がいた。
よく遊ぶ女の子の一人。
前までかわいいと思ってた茶髪の髪が今は汚く見えた。
真由ちゃんの黒髪が、目の前にあるからか。
「菜々子、積極的だね」
近くにいる真由ちゃんのところに、行きたいのに邪魔されてイラッとした。
「何言ってるの。頼斗の方がベッドの中では積極的じゃん!ふふっ」
うわ、こいつ真由ちゃんの前で何てこと言うんだ!
真由ちゃんと、目が合った。
どうやら今の菜々子の発言が聞こえたらしい。
やっべー。
今の状況は、後ろから菜々子に抱き付かれてるし。