君は振り向かない
やっぱり、不安はあった。
過去にやってきたことは本当に最低だし、俺みたいな人間が真由ちゃんと付き合ってもいいのか。
また平田菜々子の事件のように、真由ちゃんを傷付けてしまうこともあるかもしれない。
誰よりも大好きだからこそ、不安は膨らんでいく。
すると、真由ちゃんが手を握り返してきた。
「頼斗がいいの。頼斗の隣にいたい」
「真由ちゃんに、迷惑かけることもあるかもしれないよ?」
「頼斗と一緒なら乗り越えられる」
真由ちゃんが俺の肩に頭を乗せてきた。