君は振り向かない



「私、もっと頼斗は自信ある人だと思ったのに。すぐ俺なんかが……って言って弱気になるよね」



「それは……真由ちゃんだからだよ!本気で好きだからこそ不安になるんだよ」



カッコ悪いけど、真由ちゃんを好きになってから自分に自信がなくなった。



いつも不安だし、俺なんかがって考えるのが習慣になってしまっている。



「頼斗……」



真由ちゃんが、俺の顔を見つめる。



「カッコ悪いでしょ、俺?自信がない男なんて嫌だよね」



「ううん。そんなに想ってくれてるのが嬉しいし……今私ね、感動してる」



真由ちゃんがニコッと笑う。






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