君は振り向かない
菜々子から解放され、やっと真由ちゃんの元へと向かう。
真由ちゃんの前の席に座り、
「真由ちゃ~ん。会いに来ちゃった」
と、笑いながら言った。
真由ちゃんは、動かしていた手を止め、俺を見た。
初めての近い距離に、俺はドキドキした。
大きな瞳に、赤ちゃんのような白い肌、思わず触れたくなるプニっとした唇。
かわいい
って、俺何ドキドキしてるんだ?
早くなった鼓動。
「私に?何の用?」
真由ちゃんは、冷めた目で聞いてくる。
「よかったら、今日遊ばない?」
「は?意味分からない」
真由ちゃんは呆れた顔をして、また視線をノートへと戻した。