君は振り向かない



菜々子から解放され、やっと真由ちゃんの元へと向かう。


真由ちゃんの前の席に座り、



「真由ちゃ~ん。会いに来ちゃった」



と、笑いながら言った。



真由ちゃんは、動かしていた手を止め、俺を見た。



初めての近い距離に、俺はドキドキした。



大きな瞳に、赤ちゃんのような白い肌、思わず触れたくなるプニっとした唇。



かわいい



って、俺何ドキドキしてるんだ?



早くなった鼓動。




「私に?何の用?」



真由ちゃんは、冷めた目で聞いてくる。




「よかったら、今日遊ばない?」




「は?意味分からない」



真由ちゃんは呆れた顔をして、また視線をノートへと戻した。



< 15 / 187 >

この作品をシェア

pagetop