君は振り向かない
「真由ちゃん……?」
真由ちゃんは、目を真っ赤にして泣いていて俺の胸へと飛び込んできた。
「いてっ……真由ちゃん?」
俺のシャツをぎゅっと掴み泣いてる真由ちゃん。
「頼斗ごめんね。あいつの罠に引っ掛かって、頼斗を疑ってしまった」
涙をポロポロ溢しながら俺を見上げる真由ちゃんにドキッとした。
「あいつからメールが入ったの。至急瀧本頼斗のクラスに来てくれ、って」
そう言えばあいつ、俺の机に座りながら、スマホをいじってたな。
ってことは、全部あいつの作戦だったんだな。