君は振り向かない
「俺、真由ちゃんと仲良くなりたいんだ。ダメかな?」
真由ちゃんを覗きこむように見上げた。
大体の女の子は、これで顔を赤くする。
だが、真由ちゃんは微動たりともしない。
「私は別に。むしろ、関わりたくない」
「何で?」
「自分の行動思い浮かべたら?私はあなたみたいなタイプの人間が一番嫌い」
真由ちゃんは真っ直ぐ俺を見て言った。
グサッと針が刺されたかのような痛みが、俺を襲った。
え、俺いま傷ついた?
「そんな怖い顔しないで真由ちゃん」
「私に関わらないで。迷惑だから」
真由ちゃんは、そう言ってノートへ顔を移し、もう俺の方は見なかった。
こんなに、言われたのは初めてだ。