君は振り向かない
本田の話によると、ビンタしたあと教室内で真由ちゃんがぶちギレて、怒鳴ったらしい。
“私はあんたの玩具じゃないし、もう2度と話し掛けないで”
“俺がいないと、真由はダメになるよ”
“勘違いしないで。あんたといると私はダメになる。私には頼斗しか考えられない”
“あんなチャラ男すぐ捨てられるよ。遊ばれてるだけだって”
“ううん、あんなに想ってくれるのは頼斗が初めて。あんたとは違うんだ!この最低最悪男!!”
「教室内で言うからさ、あいつ。俺の人気がた落ち。あいつは変わったよ」
真由ちゃん、そんなこと言ってくれたんだ。
「だから、あんな女どーでもいいよ。もう邪魔しないし、頼斗君ともこれで終わり。ばいばい」
本田は、舌をベーっと出した。