君は振り向かない



「頼斗。今日これから暇だよ」



「まじ?じゃあ、俺に菜々子の時間をちょうだい」



「いいよ、あげるっ」



そう言って照れる女の子を、俺は抱き寄せて笑った。


俺の名前は、瀧本 頼斗。


高校2年生の17歳、よく見えないと言われるがそれは老けてるのか、大人びて見えるのか、後者だと思いたいところだが。



特定の彼女はいない。



遊びの関係の女の子はたくさんいる。



まあ、よくチャラいと言われるが否定はしない。



女の子は大好き。



男よりも柔らかくて、か弱くて、髪の毛もサラサラで、何より可愛い。



ただ、「彼女」となると、重い。



一人の人だけを愛するなんて、俺には出来ないかなぁ。



俺は皆の「頼斗」だから。




恋だの、愛だの、気持ち悪い。











< 2 / 187 >

この作品をシェア

pagetop