君は振り向かない
「頼斗。今日これから暇だよ」
「まじ?じゃあ、俺に菜々子の時間をちょうだい」
「いいよ、あげるっ」
そう言って照れる女の子を、俺は抱き寄せて笑った。
俺の名前は、瀧本 頼斗。
高校2年生の17歳、よく見えないと言われるがそれは老けてるのか、大人びて見えるのか、後者だと思いたいところだが。
特定の彼女はいない。
遊びの関係の女の子はたくさんいる。
まあ、よくチャラいと言われるが否定はしない。
女の子は大好き。
男よりも柔らかくて、か弱くて、髪の毛もサラサラで、何より可愛い。
ただ、「彼女」となると、重い。
一人の人だけを愛するなんて、俺には出来ないかなぁ。
俺は皆の「頼斗」だから。
恋だの、愛だの、気持ち悪い。