君は振り向かない
「良かったわねー!橘さんだっけ?まだ完全に完治してないから駅まで送ってってくれるかしら?」
保健室の先生がニヤニヤしながら、俺を見た。
「は?私がですか?」
「お願いね♪」
真由ちゃんは、嫌そうな顔をしながらも頷いていた。
うそ、真由ちゃんと帰れるの?
「真由ちゃんいいのっ?」
「先生に頼まれたからね。しかも、まだ少し辛そうだから」
確かに、さっきほどまではないがしんどい。
何で真由ちゃんには分かるんだ?
ドキドキが加速する。