君は振り向かない




駅についた。

「私はバスだから、じゃあね」



真由ちゃんは、突然鞄の中からゴソゴソと何か探し始めた。



「これあげる」



真由ちゃんが、差し出してきたのは冷えピタだった。



俺は思わず吹き出す。



「ぶっ。真由ちゃんは冷えピタ持ち歩いてるの?」



俺がそう言うと彼女は顔を少し赤らめた。



「違っ!さっき、購買で買ったの!!」



わざわざ購買で?




俺のために??



なにそれ、可愛いすぎ、、、



目の前で、恥ずかしそうに下を向く彼女を思わず抱き締めたくなった。



「ありがとうっ!めっちゃ嬉しい。真由ちゃん最高」



俺が全力の笑顔で言うと、真由ちゃんが微笑んだ。



「あ、真由ちゃんが笑った……」



「うるさい!だって、あなたがすごい笑顔たから」



可愛いすぎる。







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