君は振り向かない




「頼斗!お前が、昨日下駄箱で4組の平田菜々子とキスしてたって噂が流れてるぞ!」



そう言って、少しイライラしながら言ってきたのは親友の 花田 哲夫。



哲夫は、俺のチャラチャラした感じにうるさいけど、友達想いの良い奴だ。


「え?チューしたもん!事実」



俺があっさり言うと哲夫は、頭を抱えてため息をついた。



「お前こないだは、読者モデルの山本先輩との噂もあったよな?」



「山本先輩?あぁ、あれはデートしてほしいって言われたからしてあげただけ~」



「お前、本気で好きになった奴とかいないの?」



真剣な眼差しの哲夫に俺は笑った。



「本気で?ないない!そんなのない!」



本気で好きになるとか。



意味わかんねぇ。





< 4 / 187 >

この作品をシェア

pagetop