君は振り向かない
「頼斗!お前が、昨日下駄箱で4組の平田菜々子とキスしてたって噂が流れてるぞ!」
そう言って、少しイライラしながら言ってきたのは親友の 花田 哲夫。
哲夫は、俺のチャラチャラした感じにうるさいけど、友達想いの良い奴だ。
「え?チューしたもん!事実」
俺があっさり言うと哲夫は、頭を抱えてため息をついた。
「お前こないだは、読者モデルの山本先輩との噂もあったよな?」
「山本先輩?あぁ、あれはデートしてほしいって言われたからしてあげただけ~」
「お前、本気で好きになった奴とかいないの?」
真剣な眼差しの哲夫に俺は笑った。
「本気で?ないない!そんなのない!」
本気で好きになるとか。
意味わかんねぇ。