君は振り向かない
「いってらっしゃーい」
お姉さんの掛け声と一緒に、ジェットコースターがカタカタと動きだす。
俺は写真のことばかり、考えていた。
どの表情がいいかな、真由ちゃんと初2ショットだからな。
頂上で一回とまり、そこから一気に猛スピードで降りていった。
「ぐわぁーーーーー」
あまりのスピードに、俺は叫ぶ。
俺の叫びに気付いた真由ちゃんが笑う。
「頼斗ーー!大丈夫ー?」
「わぁあああ!大丈夫じゃなあぁあい!!!」
久々のジェットコースターは、スピードが何倍も早く色々な角度をかけていく。
俺、舐めてた!死ぬ!
俺の叫び声は終始止まらなかった。