君は振り向かない
「呆れる」
「真由ちゃんが、デートしてくれるならやってもいいよ」
真由ちゃんは、キッと俺を睨み付ける。
「嘘です。ごめんなさい」
俺がすぐに謝ると真由ちゃんが、参考書をペラペラ捲りながら、
「駅の近くに美味しいクレープ屋さん出来たの」
と、言った。
え?
「頼斗がクラスで10番以内入ったら、行ってもいいよ」
と、言った。
え?それって、まさかのデート?
「あのっ……真由ちゃん。それは俺と二人で?」
真由ちゃんは、コクりと頷く。